なんでMacなんて使ってるのさ？とよく言われる。それもそうだな、とも思う。実際、パワーの必要な処理は全部DOS/V機にやらせてるし、電車の中では（この原稿を書いているのも）Winノートだ。じゃ、Macなんかなくてもいいじゃん、という話にはならない。やっぱりMacがなきゃダメなのだ。Macじゃないと「ビックリ」がないから。

最初に触ったMacはClassicだったかPlusだったのか。お豆腐みたいなボディに白黒の画面。脇にはこれまたお豆腐みたいなマウスがついていた。マウスなんて見たことのない私は、画面の中で自由に動き回るカーソルにビックリ。よくそれでゲームしていたのを覚えている。

中学校の頃は、今はもう消え去ってしまったMSXというパソコンも使っていた。メインメモリ256「kb」で、Z80というCPUを積んでいた。汎用性が非常に高く添付のワープロは全機能を使えば、まあまあ見られる文章を作れたし、FM音源をBasicからコントロールして簡易シーケンサーにすることもできた。この機能は当時としては驚異的で、高価な音源を買わなくてすむのが画期的だった。選択の音楽の授業で、これで作った伴奏をバックにしてピアノを弾いたこともある。あの頃は貧弱な機能をどう生かすかであれこれ悩むのが楽しかった。

高校卒業と同時くらいに知り合いからPowerMac8100を買った。小さい頃に触れたあのお豆腐Macが頭の中に残っていたというのもあるし、なによりモノつくるんならMacだろ、と思い込んでいた。世の中ではPentiumにMMX（マルチメディア拡張命令）が搭載されたり、Windows98がリリースされたりしてWintelを買うのが当たり前の時代だったから、友人連中には一様にびっくりされた。MacのほうもG3やOS8.0がリリースされたりして、今思えば中古ながらなぜ8100だったのだろうと思っている。でも、私の中では「モノ作るんならMac以外に選択肢なし」だったし、8100はその期待をはるかに超えていた。レポート書きなんか簡単にこなしてくれた。デジカメ画像の補正にもつかったし、ホームページの作り方もこれで覚えた。マイクをつないで、自分の声を録音して遊んだり（＾＾；もした。機能を一つ発見するたびにビックリしていた。

それからしばらくしてDOS/V機を中古の寄せ集めででっちあげた。これでネットワークゲームに参加したりCDのマスタリングとかをしている。10年前からみれば夢のような性能だと思うし、実際個人が費用を負担できる機械でこんなことができるようになるなんて思いもしなかった。でも、楽しくなかった。「そういう機能を持っている」と分かっていたからだ。ビックリ箱の中身を知っている人は、ビックリ箱に驚かない、それと同じことだ。

MacとWinはそこが違うのだろう。いくらWinとMacで同じソフトがでているといっても、Macが持っている「ビックリ箱」的なおもしろさと同じモノをWinは持っていない。言い換えると、Winには工夫の余地がなさすぎる。あれこれ考えて何かを作り出すというプロセスをWin機はあまりにも軽視している気がするのだ。だから誰が使っても同じような結果が出てしまう。（パソコンを使い始めた人にはそれがいいのだろうと思う）。ところが、すこし凝ったことをしようとするととたんにハードルが高くなって、普通の人には手が届かないレベルになってしまうのはいただけない。Macにはそういうことがない。どんなことだって同じくらいのレベルの難しさでできてしまう。ユーザーは「こんなことがこんなに簡単にできるなんて！」とビックリするわけで、私はきっとそこが気に入っているのだ。

今は8100を知人に譲り、ソックリさんの8500を使っている。まだまだウチではグラフィック用（大げさ）に現役だ。このページも絵はMade with 8500だ。

これからも、Macと付き合っていればビックリするようなこと（いいことも悪いことも）があるのだろう。私達は、Macを使ってもっともっとビックリしていたいから、Macを使うのである。

関連リンク集

The PowerMac 8100/80 page

発展型のPowerMac8500関連

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最近趣味にいかにMacやPCを応用するかを考えるようになってしまった。おかげで趣味の幅も深さも大きくなってしまったような気がします。Macは偉大だ。